研究内容7 その他
以上1〜4以外にも,GISや空間解析,都市解析など,幅広いテーマで研究しています.
例えば,商業施設の立地分析に関連して,消費者の店舗選択行動分析を行っています.消費者の店舗選択行動は,商業施設の最も重要な立地要因ですから,それを分析すれば立地分析にも大いに役立ちます.アンケート調査を実施し,消費者の店舗評価を商店街や百貨店について分析したものや,実際の店舗選択でどのような店舗が選択対象として考慮されているのか(消費者が買物先として検討する店舗の集合のことを選択肢集合と呼びます),ということを調べたものなどがあります.
1. 都市・空間解析でも取り上げているイスラム地域研究の特徴の一つは,リモートセンシングデータ(宇宙衛星から撮影した画像)を用いていることです.下左図はこの地域のリモートセンシング画像です(実際は7つの周波数域の画像から構成されています).この画像を用いると,下右図のような土地被覆データを作成することができます.得られた土地被覆データを前述のような社会経済データと組み合わせることで,自然環境と社会環境の間に見られる空間的関係を分析することができます.
歴史的なデータは,これまでは文献・現地調査に基づいて分析されており,それらを地図に落とすことはあまり行われていませんでした.しかし,GISという新しいツールを用いれば,空間分布に基づいた様々な研究が可能になります.従来分からなかった何かを明らかする,その手助けができれば,と考えています.
また,人間の扱う空間概念についても興味があります.「前」「左」「北」「東」「すぐ近く」「まわり」など,我々は日常生活の中でこのような曖昧な言葉を用いながら空間情報を伝達しています(下図).しかし残念なことに,これらの言葉は人間同士では通じますが,人間とコンピュータの間では通じません.このような人間の空間概念を理解するGISの開発を目的とし,空間概念の研究も行えればと思っています.
他にも,公共施設の配置計画や空間認知などの環境心理研究も手がけています.
- 都市・空間解析
- 時空間解析
- 空間解析の理論
- 地理情報システムの応用
- 空間データの品質
- 空間情報の表現と知覚
- その他
- 卒・修論の例