研究内容3 空間解析の理論



 都市・空間解析をその手法という観点から見てみると,その適用対象は必ずしも都市に限定されるわけではありません.より一般的な空間を解析する際にも,手法自体は適用することができます.GISで取り扱う空間は都市だけではありませんから,様々な手法が一般化された上で利用されています.
 このように,都市・空間解析を一般化したものが空間解析(spatial analysis)です.空間解析では,商業施設に限らず様々な空間分布,空間パターンを分析し,その背後にある空間的決定要因を探る,さらには,その結果を用いて空間現象をモデル化し,シミュレーションへと繋いでいきます.

 下左の図は,ニューヨーク州における白血病患者(青い丸)と産業廃棄物処理場(赤い四角)の分布を表しています.産業廃棄物処理場から出される化学物質が白血病を引き起こす原因の一つと考えられる場合,このような地図をつくることがあります.2つの分布には何らかの関係があるように見えますが,それを定量的に評価するには空間解析の手法が必要です.右の図は,スウェーデンにおける小児急性リンパ球白血病患者(青い丸)と原子力発電所(赤い四角)の分布を表しています.原因のよくわからない疾病について,環境要因による影響を分析するには,GIS上で行う空間解析が極めて有効です.

 


 下の図は,この100年間に日本近辺で発生した地震の分布を表しています(円の大きさが地震の規模を示します).地震の発生パターンに何らかのパターン(空間的な近接,時間的な近接など)を見出すことができれば,地震発生機構を明らかにするための手助けとなることが期待されます.



 このように,様々な研究に適用できる汎用的空間解析手法としては,点オブジェクト(空間で「点」として扱うことができる物体)と連続面(地表面や気温分布など,平面上で連続的に定義される値)の関係を分析する手法(下図),空間に分布する点オブジェクト間に見出される空間的階層性を分析する手法,点に限らず一般的な空間オブジェクトと連続面の関係を分析する手法などを開発してきました.これらの手法は,都市現象はもちろんのこと,生態学や公衆衛生学,考古学など,実に様々な研究領域で利用可能である,という点が特徴的です.




  1. 都市・空間解析
  2. 時空間解析
  3. 空間解析の理論
  4. 地理情報システムの応用
  5. 空間データの品質
  6. 空間情報の表現と知覚
  7. その他
  8. 卒・修論の例

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